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VICTOR JL-B44 を修理する。 [修理記録]

VICTOR JL-B44 を入手した。
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状態は、ボタンが機能しない状態だった。
非常に綺麗な状態だし、ばらして修理することにした。
グリスの固着と予想してばらしていく

蓄層のキャビネットで、くり抜いてある。
高級機のつくりだ。P1120519.JPG

モーターはダイキャストにマウントしてある。凝っている。P1120518.JPG

アームは、ジンバルサポートだ、とても芸術的デザインだ。
機能美がデザインとなっている。
ケーブルは RCA で交換可能だ。
手抜きなし、今なら幾らだろうか?
DP-1300MK2 よりずっと高級感がある。

それはさておき、スイッチボックスをばらしてみた。
案の定、グリスの固着だ。
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P1120523.JPG P1120525.JPGP1120526.JPG

スプレーグリスを浸透させ、何度も往復してスムースに動くようになった。P1120524.JPG

45回転が機能しないが、マクロスィッチが不良であることが分かった。
33回転復活で止めておいた。
ストロボスコープもぴたりと止まって、問題なし。
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試聴してみる。

ちょっと長めに聴いてみた。
カートリッジは F-8Lと32Eを選択した。時代的にもぴったりだろう。

F-8L
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オモチャみたいな筐体からこのサウンドは信じがたい、しかしMMとは思えない素晴らしいサウンドだ。


AT-32E
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長岡氏が絶賛していたカートリッジ、氏の評価とおりサウンドが散乱してハードでダイナミックなサウンドを聴かせる、ハーモニーも見事に分離解像度の高い。

曖昧なところはなく、きっちりとしたサウンドで 49800円のサウンドではない。
解像度も高くしっかりしたサウンドだ。
低域のふくよかさはなく、高級機でも十分通じる。
アームも十分使える、このジンバルサポートのデザインなぜか惹かれる。




AT-3M の交換針を作成する。 [修理記録]

AT-3M 
M はAT-3のモノラルモデルだ。
AT-3 は素晴らしカートリッジだ。AT-3MにAT-3の交換針をつけようと思ったら、互換性がない。
Mモデルはコイルを巻き方を変えただけではなく、水平方向の振動だけに特化した発電ユニットのようだ。
ステレオはひし形、ほとんどのカートリッジはひし形だ。
さて、交換針をどうするか? AT-3 の交換針が使えないし、いつ入手できるかわからない。
モールドを削って、自作することにした。
正方形の交換針はお目にかかったことがない。
MD-1016もそうだが、挿入口が四角、交換針側が丸というパターンがある。
MD-1016の交換針で実験したら、いい感じだ、モールドと削っていくと、保持がほとんどできないことが分かった。
最初に削ったモールド
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AT-5の交換針のモールドを削ればなんとなりそう、金具を取り外して荒削り
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仮組
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交換針は、ビクターのZ-1S 振動系をそのまま移植した。
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実用上は問題ないだろう。
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試聴結果


クラッシックカートリッジ オルトフォンSPU と テクニカAT-3 を聴く。 [修理記録]

クラッシックカートリッジ オルトフォンSPU と テクニカAT-3 聴き比べてみた。

クラッシックと中古の違いは、
プレミアムが付くのがクラッシック
30年以上経過しているのクラッシック
とどこかの本で読んだことがある。

発売後3年後の製品は、プレミアムが付いていても立派な中古品であり、クラッシクとは呼ばない。

この二つは、製造から間違いなく 30年は経過しているだろう。

テクニカ AT-3M
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分厚い低域、解像度はそんなに高くない。当然だが、定位が素晴らしい。
モノラルでも広がり間がある。不思議だ。

オルトフォン SPU
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定番のカートリッジとシェルの間にエポキシを流してダンプしてある。
更に、重量は重くなり、47g
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バランスを取るのに一工夫、テープで鉛を貼り付けて、針圧計を使って聴いた。
残念ながら、ダンパが硬化しており、まともな音は出ない。

針は綺麗なので残念だ。

クラッシク製品も化学部品は劣化するので補修が難しいカートリッジはクラッシクとしては?






マイクロ精機 LC-40 を修理する [修理記録]

マイクロ精機 LC-40 を修理するを修理した。
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カンチレバー腐食、繋ぎ代ほとんど無し、修理難しそう。
ダンパも駄目っぽい。
顕微鏡でじっくり確認、ピンを接続して更にオーバーラップしてやや細めのカンチレバーで接続した。
ダンパ駄目かもといろいろ心配したが、音を出した瞬間、杞憂に終わった。
このカートリッジは、SPUのヘッドシェルに繋がっているので重い。
ここは BL-91G + WE-407 で試聴する。
このカートリッジはこのシステムと相性が良い。
ワイドでダイナミックなサウンド、雰囲気より、解像度重視だった。
意外だった。
十分、最近のカートリッジに対応できる。
素晴らしいサウンドだ。
すでに製造から 40年経過してますけど....ソースさえ選べば現代のサウンドに負けません。

オーディオはコストダウンできたけど、進化しているのだろうか?
スペックはこんな感じ

■価格 \28,000
■発電方式 MC型
■出力電圧 0.1mV以上
■針圧 0.7~1.7g(最適 1.5g)
■再生周波数帯域 5-40,000Hz
■チャンネルセパレーション 30dB以上(1kHz)
■チャンネルバランス ±0.5dB
■コンプライアンス 30×10-6cm/dyne
■負荷抵抗 30Ω以上
■負荷容量 
■インピーダンス 3Ω
■針先 0.3×0.8mil
■自重 8g
■交換針 V-40(\20,000)
■発売  1973~74年
■販売終了 1979年頃
■備考 価格は1974年頃のもの

アキュフェーズ AC-2 を修理する。 [修理記録]

アキュフェーズ AC-2 を修理した。

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針折れのAC-2を入手した。
コイルがねじれている。ピンセットで修正した。
あ~、断線かなと思ったら、断線なし。
手抜きのない AC-2 を復活させよう。
ダンパは、しなやかでいい感じだ。本体だけで9.6gある。
ところで、AC-2はどのメーカーで作られたのだろうか?
長岡氏もOEM品と書いてあった。
SAEC のカートリッジの仕上げも含めて酷似している。
SAEC のカートリッジは、エクセルサウンドで作られていたようだから、エクセルサウンドのODMなのだろうか?
未だに不明だ。
詳細はここのカタログを参照すると良い。
https://www.accuphase.co.jp/cat/ac-2.pdf

断線していないことに気をよくして、カンチレバーに AT-15Ea のカンチレバーを移植することにした。
慎重に、接続して顕微鏡で、一体になって動いていることを確認した。
ヘッドシェルに接続して、針を落とすと、カツカツと嫌な音がしている。
あ~あ 胴体着陸している。この時の針圧は1.8g程度
針圧は 1.3g 程度に変更して、再度試聴、音が歪んでいる。
スタイラスチップを顕微鏡で丹念に観察した。問題はなさそうだ。

駄目だ、ダンパがどうも劣化していらしい。
この手抜きのない、カートリッジ復活させて聴いてみたかった。
カンチレバーの接続はいい出来栄えだっただけに、残念。


SONY 不人気MMカートリッジ XL-50 を修理する [修理記録]

SONY 不人気MMカートリッジ XL-50 を修理する。
このカートリッジも不人気機種だと思う。
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オークションでもめったに見ないし、使っている人も見たことがない。
当時は
MM

テクニカ AT-150E
テクニクス EPC-205CMK3
SHURE V-15 Type4(実売はほぼ同じ)

MC

DENON DL-103
オルトフォン MC-10
ヤマハ MC-7
アントレ EC-10

と競合がひしめいており、更に舶来カートリッジは 50% OFF は普通で見向きのされなかったと思う。
しかし、XL-15 を作ったソニーの高級機も聴いてみたい。
5年前に未開封新品の XL-50 は未だに未開封新品のままである。
針折れ品を入手できた。
カンチレバーはパイプ形状ボロンカンチレバーだ。綺麗に欠けている。しかも強度もある。
0.4mm のカンチレバーならばそのまま接合できそうだ。
高級カンチレバーセット
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から慎重に選定する。このセットをそろえるだけでも数万円は使っている。すでにゴミだかなんだかわからない。AT-32EII のカンチレバーを使うことにした。
袋から慎重に取り出すが、袋の端、ピンセットがコンタクトした、ピンという音ともにどこかに飛び去った。
そんなときはは必死お掃除、コロコロでくまなくお掃除。
あった。
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ゴミだかなんだか分からない。この部屋は掃除機厳禁だ。
さて、嵌めてみたらぴったりと勘合した。飛ばないように慎重にはめ込む。
一番難しいのは垂直を出すことだが、少し強めに回すと、何処かに飛んで行く。
顕微鏡を見ながら慎重に合わせる。
後は接着だ。繋ぎ代たっぷりで、きっちり勘合しているので強度は全く心配ない。
修理後はこんな感じ。
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高級カートリッジの無垢のダイヤを移植しても音が悪ければ仕方が無い。
サウンドはこんな感じ。

ワイドでダイナミックでハイスピードサウンドだ。MM型らしくないサウンドだ。
テクニカ AT-150Ea に似ている。しかもハイ上がりではない。
当時に人気機種に十分対抗できる隠れた名機だったではないかと感じる。
デザイン、広告、評論家の評価、読者訪問で使っている実績、ブランド、価格
これらの要素が大事で売れるか売れないかということと音質はほとんど関係ないと考えてよい。
これも不運の名機と言わざる得ない。




EPC-310MC を修理する。 [修理記録]

EPC-310MC を修理する。
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音がなんか変だという、EPC-310MC がある。
全オーナーが修理したという。
実物を手に入れると、こんな感じ
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なんで、こんなカンチレバーがしわしわなのか不明だ。
しわしわにしろと言ってもできない。
実際につけてみて、音だしを行った。

反りがない状態のレコードでは、問題なくトレースできた。
若干反りがある輸入レコードで、ノイズのような音が入る。

顕微鏡で確認すると、バーチカルアングルが合っていないために、レコード盤と接触し、それがノイズとなるようだ。
しわしわのカンチレバーも精神衛生上よろしくない。しかもカンチレバーが長すぎる。
カットして再度カンチレバーを移植することにする。
細めのカンチレバーを埋め込む形がベストだ、手持ちのカンチレバーを探してみる。
適当なカンチレバーが見つからない。ティパーカンチレバーを根元から接続することにした。

修理後
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反りのあるレコードを再生したが問題なく再生できる。盤面とのクリアランスも十分だ。
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このカートリッジの出来が良いから SL-10 の大成功があったのだが、やはりこのカートリッジは非常によくできた MC型のカートリッジであることを再認識した。

AT-15Ea/G 振動系の違いは、どう音に影響するのか? [修理記録]

AT-15Ea/G のオリジナルと針折れ品の振動系新調品との差を比べてみる。
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針折れ品は、例によって、AT-10G系から振動系を移植して修理した。

今回はヘッドシェルも同じ MG-10 製造時期は若干違っており、一方はロゴが白文字、一方はロゴが同色である。
どうも、ロゴが同色の方が最近生産されたもののようだ。

https://www.audio-technica.co.jp/atj/products/cartridge/at15eag.html

周波数特性を測定してみた。
15ea-r.jpg

振動系は全くの別物なのに、驚くほど似ている。
赤い方だけ注目して確認する。
上の方が、中高域の辺りが若干レベルが高い。
実は、上が改造品で、下がオリジナルだ。
楕円、丸針の差は観測できなかった。
丸針の方が高域特性が良いように感じる。

オリジナルのスタイラス
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修理品
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音楽で、確認してみた。

オリジナル

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改造品
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周波数チェックの結果と聴感結果は一致する。修理品の方が明るく散乱するサウンドだ。
オリジナルの方がアダルトタッチだ。
製造年も違うが、修理品の方が好みのサウンドとなった。

サテン M-14 を修理する [修理記録]

サテン M-14 を2個入手した。
カタログを見ると

サテン M-14 を2個入手した。
M-14 を調べると

円針(色表示・緑)
M-14E

楕円針E(色表示・橙)
となっている。

橙の方は、スタイラスチップが無くなっていた。
探したら、ボディにくっ付いていた。
顕微鏡を見ながら、カンチレバーの穴にスタイラスチップを埋め込み、接着材で補強した。
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特に問題ないようである。
オリジナルはこんな感じ
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サテンのカートリッジは、特徴的で、ビクターの MC-L シリーズに通じるものがある。

M-14E は修理の影響かややアダルトなサウンドとなっている。
しかし、音場の広さはさすがだ。
M-14 もややアダルトなサウンド、押し出し感が良い。


グレース F-9 を修理する [修理記録]

グレース F-9 を入手した。
F-8 と違ってモールドからメタルボディに進化した。
更に、カンチレバーをワイヤーで引っ張る、テンション方式を採用している。
針なし、というか、ダンパすらない F-9U の修理。
いろいろ考えたが、MMカートリッジのスリーブごと移植した。


もう1つの固体は、グリーススタイラスノブで

F-9P のようだ。
スタイラスチップは、無垢の丸針で 0.65milのようだ

■インピーダンス 
■針先 0.65mil
■自重 6g
■交換針 RS-9P(\10,000)
■発売  1974~75年頃
■販売終了 1981年
■備考 価格は1975年頃のもの

F9-U の修理品
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F9-U に F-9P の交換針を装着
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F-9P オリジナル
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差が非常に小さい、やはりメタルボディの影響が大きいようだ。
F-9 と F-8、F-8 はやはり優秀である。
これをしのぐヒット商品が作れなかったのは、先を行き過ぎたせいか?

数多くのカートリッジを聴いてみたが、一番影響が大きいのは、
① ボディ
② ダンパ
③ ヘッドシェル
④ カンチレバー
⑤ スタイラスチップ
⑥ リード線
この順番だろう。

トータルバランスが大事と強く感じた。



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