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テクニカ AT-15Ea を修理する。 [修理記録]

テクニカ AT-15Ea を修理した。
今回も、振動系の移植だ。
この個体は、カンチレバー、スタイラスチップは無傷で、ダンパのみ NG で格安と貴重な個体だ。
スタイラスチップは、非常に綺麗でカンチレバーの状態も良い。

この外したカンチレバーは、後ほど登場する、高級カートリッジの修理部品となる。
移植元は、SWING製のVTxを選択する。

PICT0034.JPG

修理前
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振動系を外す
慎重に行うべし
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外れた振動系
テンションワイヤに変な癖がついている。
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移植元からも振動系を外す。
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移植元とオリジナルの振動系

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新品を移植してネジ止めすれば完了だ。

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ヘッドシェルに取り付けて試聴する。

新品の交換針と同じだ。
情報量が多い、非常に明るいサウンドだ

ついでに AT-13Ea と 120Ea も同様の方法で修理した。
まったく問題ない。(当たり前か?)

PICT0038.JPG

PICT0029.JPG



更に、AT-13E と 振動系を交換した AT-13E を比べてみる。
PICT0011.JPG

針カバーつきがオリジナルである。

見た目はティパーカンチレバーかストレートの違いのような感じである。

振動系交換品

低域の量感は少なめだが、ワイドレンジで高解像度のサウンドが楽しめる。

オリジナル

こちらも方が更に情報量が多い。
音の傾向としてはほぼ同じ、楕円と丸針の差かもしれない。


と今回は、交換方法を記載したが、ここで思い出されることがある。
確か 80年ごろに長岡鉄男氏がアンプのウオーミングアップを説いている記事があった。

正確には忘れたが、スピーカーの代わりに、セメント抵抗をつけて、FM の 局間ノイズ(ピンクノイズ)を流しっぱなしにすると、音も出ることもなくヒートアップができる
こんな事が書いてあった。
たしか 週間FM だったと思う。
当時私は小学生、ふ~んと思って読み流した。長岡鉄男って変な事言っていると思っていた。
小学生だからしかたない。
ウオーミングアップのことはほとんど無視されていた。長岡氏が孤軍奮闘主張していた。後のアンプにウオーミングアップは常識となった。
それから、1年もたたない後、火事のニュースが
出火元は、サンスイ AU-D907 で真っ黒な AU-D907 がTV で映し出されたいた。
ニュースでは、週刊誌の記事のとおりにやったら、出火したと報じていた。
このニュースもリアルタイムで見た。このニュースを見て、週間 FM のあの記事かと思い出した。

これ以来、長岡氏は、改造は自己責任のワードが頻出するようになり、改造も考え方だけ記載するようになり
具体的な方法は避けるようになった。
長岡氏も災難だっただろう。

  

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コメント 4

ジェフ

15EAの修理の発想は素晴らしいですね。
ご使用されたVTx(39E)以外で使用できる針があれば教えて頂ければ幸いです。
by ジェフ (2014-12-12 09:09) 

en_ide

ありがとうございます。
AT-10系 AT-100系 その他派生機種だいたい使えます。
ただし、AT-30/50/70/90 はテンションワイヤーの系が細いので工夫が必要です。
移植した記事も出ていますので参照にしてください。

by en_ide (2014-12-12 19:50) 

ビーグル

素晴らしい技能をお持ちですね。 エンジニアが本職でしょうか。
自分はAT-15Eaの交換針が無くて困っていたのですが、AT-100系
でも使用出来ることを初めて知りました。 同じテクニカの交換針
ATN100Eではダメでしょうか。 予算に限りもありますので。
by ビーグル (2015-07-06 21:51) 

en_ide

基板の設計とそこに搭載されるファームウェアを開発を行っています。

ATN100E は問題なく AT-15E系に使用可能です。
ATN100E は接合の楕円チップです。
ATN120E は無垢の楕円チップです。
こちらが見つかればベストです。
ネジ山を潰さないように作業してください。

by en_ide (2015-07-11 08:46) 

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