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ダンパが劣化したカートリッジの波形を測定してみる。 [情報]

SONYのXL-15 シリーズのダンパには困ったものだ。
ダンパが劣化して音が歪む。
オシロスコープは家にはないが、PCがその代わりを果たす。
便利な世の中だ。
XL-15 に XL-20 の交換針を移植したが見事に駄目だった。
聴感上も駄目だが、基準レコードをキャプチャーして、波形を確認した。
正弦波が変な波形になっている。
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こちらで確認した XL-15 シリーズもついでに確認した。
http://en-ide-cart.blog.so-net.ne.jp/2017-01-14
聴感上は問題ない様だが、波形はどうだろうか?

XL-15 オリジナル

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XL-15 + XL-20の交換針
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音量差があるが、同じ傾向なのでカートリッジ以外の箇所が原因だろう。
美しい正弦波だ。

AT-3M の交換針を作成する。 [修理記録]

AT-3M 
M はAT-3のモノラルモデルだ。
AT-3 は素晴らしカートリッジだ。AT-3MにAT-3の交換針をつけようと思ったら、互換性がない。
Mモデルはコイルを巻き方を変えただけではなく、水平方向の振動だけに特化した発電ユニットのようだ。
ステレオはひし形、ほとんどのカートリッジはひし形だ。
さて、交換針をどうするか? AT-3 の交換針が使えないし、いつ入手できるかわからない。
モールドを削って、自作することにした。
正方形の交換針はお目にかかったことがない。
MD-1016もそうだが、挿入口が四角、交換針側が丸というパターンがある。
MD-1016の交換針で実験したら、いい感じだ、モールドと削っていくと、保持がほとんどできないことが分かった。
最初に削ったモールド
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AT-5の交換針のモールドを削ればなんとなりそう、金具を取り外して荒削り
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仮組
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交換針は、ビクターのZ-1S 振動系をそのまま移植した。
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実用上は問題ないだろう。
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試聴結果


GT-2000 + DV-505 続き その1 [My Info]

GT-2000 + DV-505 の続き





残っていた錘は、重量級向けのようで、普通のカートリッジはバランスが取れないことが分かった。

オークションを検索しても、DV-505 軽量用 ウェイトなど出品されているはずもない。

出入りしている金属加工メーカーに個人的に作ってもらおうか、とかいろいろ考えていると、

ハードオフに、つまみか足と思われるアルミ無垢のパーツが108円 で売っている。

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即購入



オリジナル

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オリジナルの半分の重量だが、いい感じなので貫通の穴を開けて自作することにした。

会社には、簡易旋盤がある。これを使えば楽勝と思ったら

ドリル径 5.1mm の替え刃行方不明だ。

5mm はあるので、5mm で穴あけを実施することにした。

チャイムがなった。5:30~6:00 までは夕休み、直ぐに実験室で穴あけ開始。

何始めたんですか?いろんな人に聞かれる。

恥ずかしい、音が大きい、削りくずが散乱する、1/3 くらい進んだら モーター停止。

簡易でトルクは弱いようだ、ゆっくりゆっくり進めて 3/4 くらいで進まなくなった。

機械油が必須らしい、オイルを垂らしたらなんとか貫通した。15分くらいかかった。

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もう、2度とやりたいくない。

穴を棒やすりで調整して、クリアランスなして装着できた。いい感じだ。

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重さがもう少し欲しい。

とりあえば 10円玉を両面テープくっつけて、いい感じの重量となった。

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これで使えるカートリッジの範囲が広がった。



本当は、アルミでアームベースを自作しようと思ったが、想像以上に大変なので業者に任せるか、木で自作することにした。


カートリッジをまとめて聴く その85 [試聴日記]

① SONY XL-15
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  このカートリッジのダンパの大半が劣化して使えない。
  本カートリッジのダンパは問題ないようだ。
  本当は実力の高いカートリッジだと関心する。
  オークションで取引されている XL-15 の大半はまともに再生できないだろう。
  いつもながら、良くこの値段と関心する。しかし、ノブの色が安っぽくで残念だ。

② SONY XL-15 + XL-20 の交換針
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  本来は互換性がないが、問題なく利用可能だ。
  本交換針は、新品だ。
  ① と比べて、遜色のないサウンドが楽しめる。
  レンジも広く、高級機と比べても遜色ないと思う。

③ テクニクス EPC-205CMKII
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  大人気 EPC-205CMK3 の前身モデルだ。
  ワイドで、フラットで高品位なサウンドが楽しめる。

④ ナガオカ MP-11
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  MP-100 のベースとなったモデルだ。
  立ちがありもよく、シャープ、ハイスピードなサウンドを聴かせる。
  ローコストなのに非常に高品質なサウンドだ。

⑤ ビクター MD-1016
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  グランツからのOEM供給品だ。
  グランツは多くのベンダーにカートリッジを供給していた。
  付属品のカートリッジとしては特に優秀で、高級機として組み込んでも違和感はない。

⑥ グレース F8-L
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  グレースのカートリッジの音の良さの秘密が分からない。
  交換針はモールドだし、交換の勘合が強固な分けでもなくローコストMM型なみの構造だ。
  出てくるサウンド、非常に高品位だ MCライクなサウンドが楽しめる。


⑦ ビクター MD-1016 その2
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  グランツからのOEM供給品だ。
  土台となり、日本のオーディオメーカーを支えていた。
  このカートリッジは高域に特徴がある。
  切れのある高域が素晴らしい。

⑧ Lo-D MT-24
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  こちらもグランツからのOEM供給品。
  ビクターのZ-1Sと同じ発電ユニットだ。上部モールドだけが違う。
  改めて聴きなおすと良くできたカートリッジだ。


⑧ テクニカ AT-E50
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 デザインが斬新過ぎたのか不人気で直ぐに終了となった。
 極細の短いカンチレバーが特徴で、振動系の軽量化が計られている。
 サウンドも現代風にアレンジされている。
 オークションではとても不人気だ。
 超ハイCPカートリッジだった。

⑨ スタントン500A
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  1.5g針圧では音が歪む。資料によると針圧は 2~5gと書かれている。
  2.5g針圧を印加して再度試聴してみた。
  低域の分厚いサウンドとなった。

⑩ テクニクス EPC-207C
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  大人気 EPC-205CMK3 の廉価版だ。
  スタイラスチップ 無垢 --> 接合楕円
カンチレバー ボロン --> アルミパイプ
  テンションワイヤー方式 --> ダンパのみ

  1万5千では競合も多く、人気は無かった。
  レンジは広く、音場の再現性も優れたハイ CP カートリッジだ。
  

  




 

ビクター QL-Y55F を修理する。 [試聴日記]

ビクター QL-Y55F を修理する。
こちらのブログの続き
http://en-ide-cart.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
ボリュームは、その辺に売っていないので、会社の帰り道に千石で買ってきた。
ボリュームを変えるだけだし、楽勝と思いきや

C型ボリュームの外しで、時間がかかってしまった。
無事交換完了。
今度は10KBと刻印されている。
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針圧 0g での印加針圧をチェックする。
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負荷はほとんど無い状態だ。
これがボリュームの不良だと、0g にはならない。

1.5g にボリュームを調整して再度実測

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1.6g の印加針圧だ。

きちんと機能していると考えて良い。

再度組み立ての前に、内部写真

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再度組み立てて試聴した。

17cm シングルリードインに着地できない。

リードインアジャストで調整できることが分かったので、調整していたら、変な動きになってしまった。
リードインアジャストをいくら調整してもおかしい、動作のままだ。
午前1時20分、明日も会社で強制終了。

翌日出張、ネットで調べて何も出てこない。
おかしい、アームの位置は、光センサーを使っている。
光センサーを遮る、穴が複数開いた遮光版でアームの位置を検出している。
遮光版の位置をメカ的に変更するだけと踏んだ。しかし挙動がおかしい。
納得がいかない。
気になってしかたがない。
英語版だがサービスマニュアルが有償で入手できることが分かった。
値段は$5 、PayPal だしここなら安心と サービスマニュアルを買った。
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印刷して病院に持って行った。病院では3時間待ち、マニュアルをずっと読んでいた。
トーンアームの組み立て図
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リードイン、アウトの調整に関する説明

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どうも、説明と動作が合わない。
アームがぐらぐらしているように感じる、組み立て図を再度確認して、垂直軸がおかしいと踏んだ、
カーバーを外して分解することにした。

ネジが外せない、工具はないので、ニッパで代用
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カバーは、スケルトンだった。
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軸を留めるネジが緩んでいた、しかも半端なく緩んでおり、アーム自身が軸から外れていたようだ。
10回転以上回った。
もともと、緩んでいたのが、リードイン調整時に、外れてしまったようだ。

締めなおして、無事復活

17cmシングルの最初から最後までキチンと再生できた。


音は、アダルト調だがダンプ量によってかなり表情が変わる。

電子制御のアームは今後二度と出てこないだろう。
貴重な、電子制御アームの復活に満足、やっと安心して眠れる。



グレース F-8L VS F-8L 10th [試聴日記]

グレース F-8L と VS F-8L 10th が入手できたので比較してみた。
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10th はベースがメタル、出力が0.5mv 低下、レンジは 10KHz 高域に伸びている。
出力の低下は、波形からも読み取れる。
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顕微鏡で見た限りでは同じスタイラスチップのようだ。10th はほぼ新品の状態。
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オリジナル
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10th
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オリジナルもやはり素晴らしいカートリッジだ。
10th になると更に情報量が増えている、音場もより、立体的になり定位が向上している。
といっても音の傾向は同じだし、ヘッドシェルが違うからヘッドシェルの影響もあるかもしれいない。


リニアトラッキング SL-D5 を聴く。 [試聴日記]

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リニアトラッキングSL-D5 を聴く。
その昔は、内周歪みはトラッキングエラーせいだと信じていた。
リニアトラッキングなら内周で歪むこともない。
だと思っていた。雑誌にそう書いてあったし。
実際違った、トラッキングエラーは、内周歪みの要因の一つであり。
実際は、外周に比べて、内周が曲率半径がきつくなることが原因であることを後で知った。
昔の本を読んでいたら分かった。
ライトな演奏にはいいかもしれない。
しかし、移動が遅くてイライラする。
音はライトな感じというか、意外といい。十分使える。



カートリッジをまとめて聴く その84 [試聴日記]

① テクニクス EPC-310MC
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  スタイラスチップがすごいことになっている。
  鍬のような形だ。初めてみた。
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  SL-10 を一躍名機に押し上げた陰の立役者だ。
  このカートリッジは、本当に素晴らしい針を折ってくださいといった構造だ。
  新しいシステム DV-505 での試聴だ。
  繊細で情報量が多く、本当に良くできたカートリッジだ。


② DENON DL-107
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  FM東京でも採用されたというカートリッジ。
  本当にかっこ悪い。機能からくる美しさ機能美も冴えない。
  しかし、音を聴けば、FM東京が採用した理由も分かる。
  情報量が多く、解像度が高い。DL-103 より解像度は高く、正確なサウンドが期待できる。

③ テクニクス ECP-270 + 透明ノブ赤ライン
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  透明ノブ赤ラインは、EPS-53STED 0.2×0.7mil楕円ダイヤブロック チタンパイプ/テンションワイヤと思われる。
  ② に比べるとかなりアダルト調のサウンドに聴こえる。
  低域の芯がしっかりしており、コニカルスタイラスとは一味違う。

④ ビクター 4MDX1
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  グランツからのOEM供給品だ。4CH対応の交換針は、シバタ針スタイラスチップ
  &テンションワイヤー方式と付属品カートリッジとはかなり異なる。
  ②に通じるところがある。ワイドでダイナミックなサウンドは、シバタ針&テンションワイヤーの影響だろう。

⑤ テクニカ AT-120E
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  かつての平置き目玉品モデルの印象が強い。
  しかもモールドの色が更に安っぽさを強調している。
  しかし、冷静に聴いてみると、AT-100 シリーズの末裔だけあってきっちりとしたサウンドを奏でる。
  今振り返っても、ヘッドシェル付でかなりハイだった。

⑥ テクニカ AT-13E
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  こちらのモールド色はブルーで好感が持てる。しかもブルーといっても濃紺だ。
  ⑤ に低域の低域の力強さが増した印象だ。
  ⑤が十代の女性だとすると、30代大人の女性いった感じだ。

⑦ テクニカ AT-15E
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  AT-15E のスタイラスカバーは透明でとても高級感がある。
  Ea になった、みんなプラモデルみたになって高級感を失った。
  企画部門がよくこれでOKしたなととても不思議だ。
  ややアダルトさサウンドだがバランスがとても良いサウンドだ。
  さすが高級機といった感じだ。


⑧ YAMAHA MC-9
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  針折れ品を修理した。根元で繋いでいるので一見分からない。
  YAHAMA MC シリーズは開口部が狭いので根元でつなくと開口部を干渉するので注意が必要だ。
  試聴してみると、MC-9 の良さがよく再現できている。
  繊細で、明るいサウンドだ。量感はやや寂しい。

⑨ テクニカ AT-10G
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  AT-10G の OEMモデルだ。おそらく Lo-D 向けだ。
  サウンドは、図太いMMらしいサウンドが楽しめる。
  高域の伸びがやや寂しい感じもする。

⑩ パイオニア PC-16
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  パイオニア PC-16 に塗装を施すと PC-330だ。
  実質 PC-330 と考えて良い。付属カートリッジだが、低価格帯は PC-110 高価格帯は PC-330 が採用されていた。
  音はバランスがよく、高域、低域よく伸びている。
  付属のカートリッジとしてはもったいない。




  

GT-2000 + DV-505 [My Info]

2017 1/1 朝令暮改で、ダイナベクター DV-505 に変更した。
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もともと DV-505 を使うために GT-2000 を買ったのだ。
DP-80ベースのシステムのアームベースの改造、ダストカバーの改造、面倒になり放置していた。
自立型アームのためにGT-2000を買った。
思いの他、YSA-1 が良かったのしばらく使ってみたが、新年早々に変更した。
1/1 家族は起きていない。
ミッション開始。

DV-505 最初に見た印象は、こんな変なアーム買う人いるのかしら?
変なデザイン
実物を見ると印象が換わった。
仕上げが巣晴らし、機能美が作り出すデザインなのだ。

中古ショップで、割と高値で売られていた。まあ、売れないだろう。
数ヶ月売れ残っていた。
正月気分が良くなって、衝動買い。
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改造が面倒で、しばらく放置....
ステレオ時代を読んでいたら、DV-505 のことを思い出して、GT-2000を即購入した。

針圧は、正常に印加されている。40年前の製品なのに驚きだ。
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アームが2段折れで変な感じだ。慣れれば問題ない。
リフターが無い、もともとリフターは使わないので問題ない。
一番いいのは、ダイナミックバランスの印加機能だ。
とても安定しているように感じる。

ラテルバランスは無し、まああまり影響は無いだろう。

① AT-10G らしい中庸なサウンドでバランスが良い。低域の量感が素晴らしい表現だ。
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② ELAC ESG792
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相変わらず、独自の低域と量感だ。故障ではない、ELAC はみなこのようなサウンドなのだ。

③ SATIN M6-8C
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独自の高域と解像度が高いサウンドを聴かせる。
ELAC とは対極のサウンドだ。


④ NEAT SV-500
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長岡鉄男氏よると、カートリッジ、アームの老舗のブランドだったらしい。
STAIN からのOEM品も見たことがある。
高出力MCと紹介しているサイトもあるが、MM型だと思う。
STAIN からのOEM品は、高出力MC型だ。

音は典型的な MMサウンドで針圧はやや高めにしたほうが良い。


⑤ テクニクス EPC-205CMK2
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癖の無いフラットサウンド信条のカートリッジ、カートリッジの特徴がそのままでている。


5つのカートリッジを聴いた印象は、カートリッジの素の特性をそのまま出すように感じた。
YSA-1 は折り目正しいアームといった印象だが、DV-505は素材の良さをそのまま生かす料理人といった感じだ。
ダイナミックバランスの印加方式は、非常に使いやすい。




結局こんなセッティング、少し加工が必要
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