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DL-103 集中試聴 新旧モデル差をチェック [試聴日記]

DL-103 のつや有りモデルを入手した。
どうも、予告なき仕様変更がされているようだ。旧モデルは音が違うとの噂もあります。
新旧比較しているサイトはあまり無かったので自分でやってみた。
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今回は、厳密に比較するため面倒だが、毎回同じヘッドシェルに装着して比較した。
もともと同じモデルなのだから、他のパラメーター違ったらわけがわからない。極力同じ条件で比較した。

ヘッドシェルは DENON PCL-5 メーカーもだいたいこのクラスのヘッドシェルを想定していただろう。
新旧モデルの重量差は 0.1g と工業製品としてはとても優秀だ。
DL-103S は針圧の差分、本体を軽くしてあると記事を読んだことがあるが、実際の重量差は 0.5g と現実は違った。

① DL-103S
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  高域の伸びが良い
  音場も広大、ワイドレンジに仕上がっている。

② DL-103 つや消し(現行)
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  ① と比べると高域の解像度低下、低域の量感がやや増える
  音場もやや後退

③ DL-103 つや有り(旧品)
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  ② と比べるとかなり傾向が異なる。
  SHURE M44G カモメと再生品と関係が似ている。
  旧品の方が、ずっと重心が低く、音場が広い。現行品が軽く感じられる。
  時代の流れで、解像度が重視されたのだろう。
  このあたりは M44G も同じなのかもしれない。

④ DL-103 修理品
  AT-10G のカンチレバーを移植した。
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  低域の押し出し感というか量感も素晴らしい、修理もキチンと実施できれば十分使える。
  針先は 0.5mil コニカルだと思われる。
  スタイラスチップだけが音を決めている分けではないことが良くわかる。




カートリッジをまとめて聴く その59 [試聴日記]

① テクニクス EPC-270C
② パイオニア PC-110

  どちらも付属レコードプレヤーに幅広く採用され、玉数も多い。
  どちらも単体販売もされている。

  EPC-270C
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  一体型の良さが出ている。解像度が高く、皮膚感まで伝わってきそうだ。
  中低域に厚いサウンドとなっている。

  PC-110
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  思ったより、非常にレンジが広いサウンドとなっている。
  エネルギーを高域方向に集中したサウンドとなっている。


③ テクニクス EPC-207C その1
④ テクニクス EPC-207C その2
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  大人気の EPC-205 の弟分なぜか不人気、デザインも悪くないのに不思議だ。
  音も決して悪くない。値付けが失敗した感じだ。

  その1
   音も落ち着いており、フラットな感じでワイドレンジだ。
   こうれは上級機のサウンドだ。テンションワイヤーが高音質というわけでもあるまい。
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  その2
   こちらは、③ よりヤング向けのサウンドとなっている。固体差はあるが傾向は同じような感じだ。
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⑤ DENON DL-8
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  高音質で有名な DL-8
  高域の切れや、解像度は とても付属 MM のサウンドとは思えない。
  本当はとても良いカートリッジだと思う。
  デザインも高級感がある。

⑥ パイオニア PC-330
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  ⑤ と比べるとかなりアダルト基調だ。刺々しさはなく、低域の量感がかなり良い感じだ。
  雰囲気もとても良い。


⑦ パイオニア PC-330MK2
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  ⑥とは全く別ものと考えていいだろう。細めのカンチレバーで、テンションワイヤー方式と PC-200 と構成が似ている。実はテクニカからのOEMだったのだろうかと思ってしまう。
  今となってはよくわからない。PC-200 に通じる良さはある。


⑧ テクニカ AT-15Ea
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  何かと縁がある AT-15Ea これも DL-103 ほどではないがロングセラーだった。(?)
  生産は終了しているようだが、新品でまだ入手は可能だ。
  低域を重視したサウンドで、AT-150 系のハイ上がりのサウンドとは方向性がやや異なる。


⑨ オルトフォン FF-15
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  針折れ品を修理した。修理した交換針は、ナガオカ製だ。
  ナガオカ製の交換針は、どのボディに装着できるようになっている。
  オルトフォンはクビレ、上溝、下溝で交換針とボディの組み合わせを規定しているようだ。
  カンチレバー M-44Gから移植した。
  非常にワイドレンジで、高解像度なサウンドに仕上がった。


⑩ オルトフォン VMS-20MK2
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  針が折れ品を入手した。手持ちのナガオカ製楕円交換針(原音)を装着して、復活させた。
  VMS は横にくびれている。見た目は、F-15系かVMS系は全くわからない。
  ヘッドシェルも違うし、条件はかなり違うが ⑨ よりずっとワイドレンジで解像度も高い。






  

カートリッジをまとめて聴く その58 [試聴日記]

① パイオニア PC-330
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  上級機のパイオニアのプレヤーの付属カートリッジとして活躍。
  PC-110 よりワイドレンジの設計となっている。
  ベースモデルは PC-16 のようだ。


② SONY VL-15
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  VL-15 は XL-15 の塗装無しバージョンだ。プレヤーの付属は VL-15,単体販売は XL-15 だったようだ。
  XL-15 のダンパは、ダンパが飴のようになり駄目になっている場合が多い。
  しょうがないので、他のカートリッジの交換針で対応した。厳密な互換性は無いが十分使える。
  XL-15 のオリジナルに近い音が再現できている。


③ テクニカ AT-3M
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  銘機 AT-3 のモノラルバージョンだ。
  低域の量感が素晴らしい、ベースの伸びも見事だ。
  モノラルレコードは、モノラルカートリッジで聴くべし。


④ テクニクス EPC-207C
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 EPC-207 と EPC-270 とても紛らわしい。ECP-205 のローコスト版というとで EPC-207 となったらしい。
 EPC-205 はテンションワイヤ方式だが、EPC-207 はダンパだけで支える方法だ。
 音はとてもしっとりして、MM型とは思えないサウンドだ。
 デザインもほぼ同じなのに、207 はとても不人気だ。
 

⑤ DL-303 オリジナル
⑥ DL-303 修理品

  DL-303 を修理した、根元で折れており、開口部からマイナス 3mm で非常にやりずらい。
  DL-103 とは対極的な構造だ。
  オリジナルを尊重してなるべく細いカンチレバーを選択し、短めに繋いだ。
  ついでに、オリジナルとも比較してみた。
  オリジナルはダンパがややヘタリ気味だが、演奏には支障ない。

  どちらも解像度は高く非常に現代的なサウンドだ。
  オリジナルと修理品を比べるとやはりアタック音で差がつく修理品の方がやや反応が悪い感じがする。
  音の傾向はほぼ同じだ。固体差、シェルの差かもしれない。
オリジナル
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修理品
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⑦ DL-80
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  チップ落ち品を修理した。おそらく、グランツからもOEMではないかと思われる。
  DENON プレヤー 付属カートリッジとして広く採用された。
  いつも感じるのが、付属カートリッジとは思えない、解像度とレンジの広さだ。
  赤系統は、安っぽく感じるので止めて欲しい。


⑧ AT-33E
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  針折れ品を根元で繋いだ。
  歴代 AT-33 シリーズで 33E は高域方向にエネルギーが集中している。
  悪く言えば、ドンシャリでややハイ上がり。
  A-33E の本来の良さが出ていると言っていいだろう。
  AT-150Ea もドンシャリだし、ドンシャリが Hi-Fi と考えられていた時代背景があるようだ。


⑨ エンパイア 2000EIII
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  針折れ品を修理した。
  あまり期待していなかったが、聞いたら想像以上の Hi-Fi サウンドだ。
  広いレンジと広大な音場、さすが高級機といった感触だ。
  ノブが透明でとても高級感がある。
  実売は幾らで売っていたのだろうか?

⑩ ピッカリング XV-15/625
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 ピッカリングの系統も良くわからないが、XV-15 はスタンダードシリーズのようだ。
 サウンドは、とても MMらしい量感をともなった低域に重きをおいたサウンドとなっている。




SHURE カートリッジの集中試聴 その9 [試聴日記]

SHURE のカートリッジをまとめて聴く。

相変わらずの人気の TYPE III 悪くはないと思うがプレミアムがつくようなものでもないような...

① Me95ED
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SHURE は型番のややこしくて把握が難しい。
1980年後半からスタートした普及機~中級機の後継機らしい。
つまり、M95シリーズの後継機ということになる。
音場は広いが、高域の切れはもう一歩、レンジは抑え気味だ。
量感はいい感じだが、最低域はやや寂しい。
バランスの良いMM型らしいカートリッジだ。


② V-15 Type4
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 なぜか不人気の Type4 間違いなく Type3 を越えていると思うが、あまり人気がない。
 発売当初から、40% 引きとかで売っていた。Type3 と Type5 は人気があるが Type4 は安売りのイメージしかない。
 それから、30年経過しても、オークションの落札価格は安い。
 今回の入手品は、純正の交換針ではない。音は Type4 の良さを引き出しておりワイドレンジのサウンドが楽しめる。


③ M95HE
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 95シリーズは、あまりレンジは欲張っておらず安定したサウンドが楽しめる。
 と思っていたが、この固体はワイドレンジだ。固体差はかなり大きい。
 レコードのキャプチャーに使っていた。最近は、レコードの演奏もったいないを止めた。
 劣化するからと思っていたが、レコード寿命と残りの時間を考えると意味がないと思い始めた。
 劣化するほど特定のレコード聞き込むことはもうないだろう。
 死ぬまでに全部聴くんだろうな?
 といわれると....無理だと思い始めた。



④M44-7 カモメマーク オリジナルスタイラス
⑤M44-7 カモメマーク 再生産スタイラス
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 以前にカモメマークと再生産品との差を比べたが M44-7 で、スタイラスチップの差の音の差を検証してみた。
 ところが断線していた。
 しかたないので、モノラル化して差を比べる。
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 オリジナル
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 再生産品
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 今回は僅差だが、低域の厚みというか量感は、オリジナルの方が良いようだ。
 舶来品の断線は確率が高い。国産は本当に少ない。






カートリッジをまとめて聴く その57 [試聴日記]

① テクニクス EPC-280C
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  定番 EPC-270C と姉妹機、差異は正直よく分からない。
  どうも後継機らしい。
  音を聴いた印象は、低域が充実しており、MM型らしいサウンドということだ。


② テクニカ AT-27E
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  MC ブームに乗っかって開発された 33系のローコスト版
  針折れ品を修理した。
  低域が力強く、量感も見事だ。良くできた MM型サウンドといった感じだ。
  デザインは 33系そのものだが、モールドが多用されており、高級感は一歩欠ける。

③ DENON DL-301II
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  針折れ品を修理した。ワイドレンジで、音場が広大だ。
  ダンピングの効いた、気持ちの良いサウンドだ。
  音の切れも良いし、オリジナルの良さがうまく再現できている。

④ ピッカリング XV-15/625
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  ピッカリングも新潟では一度もお目にかかったことがないカートリッジだった。
  秋葉原、安売りされていて驚いた。
  XV-15 は 3桁シリーズのローコスト版だったらしい。
  音場が広い、充実した中低域でMMらしいサウンドだ。

⑤ オルトフォン F-15O MK2
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F-15 シリーズはバリエーションが多くて把握できない。
 OEM 向けのバリエーションのようだ。
 F シリーズも全てテンションワイヤー方式だ。
 出力が大きくて使いやすい。ヤング向けのサウンドだ。
 解像度や繊細なもう一息といったところだ。

⑥ パイオニア PC-330 MK2
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 高級レコードプレヤーの付属に使われていた 330、普及機は 110 と使い分けていた。
 MK2 と オリジナルは全くの別物と考えて良い。
 330MK2は、極細のカンチレバーであり、しかも強度が高い。曲がらないで折れる。
 テンションワイヤーで引っ張る方式であり、手抜きがない。
 PC-330 とは明らかに違うサウンドだ。
 解像度は高く、音場も広く、しっとりとしてサウンドだ。
 雰囲気とか、量感はやや後退している。

⑦ パイオニア PC-110
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 ローコストモデルの付属品カートリッジとして広く使われていた。
 PC-330MK2 と比べるとやはり、解像度は劣る。
 量感もしっかり出ており、MM型らしいサウンドが楽しめる。

⑧ Lo-D MT-24
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本品は、上部ホルダーが違うだけで、ビクタZ-1シリーズと共通だ。
 製造はグランツが行っていた。Z-1 シリーズはポテンシャルが高く、うまく使いこなせば、高級カートリッジ顔負けのサウンドが楽しめる。
 レンジはやや狭いが、非常にバランスの良いサウンドが楽しめる。

⑨ SONY VM-22G
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 これはテクニカからのOEM商品だ。テクニカ は VM一筋みたいな感じだが、OEM向けのは
 MM も IM も供給していたのだ。
 音は、MM型らしくバランスの良いサウンドが楽しめる。

⑩オルトフォン OMB
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 DJシリーズの派生機種だ。
 低域がとてもしっかりしており、量感も素晴らしい。
 音場も広く、雰囲気もよく再生できている。
 高域の伸びはやや抑え気味だ。





DENON の傑作 DL-8 シリーズを比較する [試聴日記]

DENON の傑作 DL-8 シリーズを比較する。

DL-8 DL-8A DL-108 DL-60 DL-65  は交換針に互換性があり皆兄弟だ。
色々、変化させると何が影響するか分からない。

ボディを固定して、交換針だけを変えて違いを楽しんでみる。

ボディは 

DL-108 + MG-10 の組み合わせで実施する。

 DL-8(0.5milコニカル)
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 音場も広いし、バランスが良い。低域の量感も十分で全く不満の無いサウンドだ。

 DL-60(接合楕円)
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 DL-8 に比べてレンジが広がっている。楕円の影響だろうか?
 DL-8 の時には不満は無かったが解像度も上がって、より高品位なサウンドが楽しめる。

 DL-108R 修理品(0,5mil コニカル)
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 カンチレバーは、ダンパだけでなくテンションワイヤーで保持されるになっている。
 これが最大の特徴だろう。
 こうやって聞き比べる明らかに音が違う。
 これが、本来のサウンドだ。この曲は大学生の時からずっと聞き込んでいる。
 これが本来のサウンドだ鼓膜を直接刺激するような高域の切れが良く表現できている。
 ヤング向けのサウンドと揶揄されるだろう。

  DL-108D(0.65mil コニカル 無垢ダイヤモンド)
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 108R の修理品に比べると線が太い、量感がしっかり出ている。高域の切れはやや後退か。
 バランスは良い、DL-60 のグレードアップ版といった感じだ。
 非常に落ち着いたアダルトサウンドで、MM型の良さが出ている。









MM の傑作を聴く DENON DL-107 その2 [試聴日記]

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2個目の固体が手に入ったので再度試聴してみた。

正直言って、このカートリッジかっこ悪い。もっと違ったデザインだった、大人気商品だっただろう。
この頃の DL-202 の音は素晴らしいがデザインが垢抜けない。
企画のセンスが疑われる。

DL-107 は別固体でも素晴らしいサウンドを聴かせてくれた。
テクニカサウンドと違って、中低域に芯があり、更にワイドレンジといった感じだ。
ネジ止めが高音質に寄与していると思っている。
デザインがもっとよければもっと売れていただろう。


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