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テクニカ AT-120Ea を修理する。 [修理記録]

テクニカ AT-120Ea を修理した。
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修理といっても、AT-10G系の振動系をそっくり移植するだけだ。

簡単だと思ったら大間違い、針を繋いだほうが楽かもしれない。

旧振動系の取り外し、
  ネジ止め材で固定されたイモネジを緩める。
  これも至難の業で、油断するとネジ山をつぶす。
移植元の振動系の取り外し
  油断せず、綺麗にネジ止め材をとってからやった方が良い。

振動系を取りはずのだが、うまくいかないこともある。
力任せにやるとほら、カンチレバーが曲がったでしょ。
そんなときは、後ろから、マチ針のような細いニードルでところてん式に押し出すと良い。

イモネジは、全部外す必要はないのだが、外してしまって行方不明なったこともある。

振動系が外れたら、振動系の取り付け、これが思ったより難しい。
振動系を押しながら(ダンパがボディを押し付けて、粘性を発生している)イモネジを締める。
この時に押し付ける力が弱いとふにゃふにゃのダンパになる。
押し付けすぎると、カチカチ君ダンパとなる。
それから、仮締め、本締めとなるが、仮締めから本締めをするときに振動系が回転する。
振動系の回転分を見込んで仮締めをしないとけいない。
ネットには、簡単に交換できると書いてあったが、結構難しい。
特に押しながら、イモネジを締めるところが難しい。
ほら、やっぱり曲がったでしょとならないようにしないといけない。
振動系は、未開封新品の交換針だから、調子が悪いはずがない。

ハイ上がりの立派な AT-120Ea サウンドに仕上がった。


つづいて、調子に乗って 同じ要領で AT-130E も新品の振動系に交換した。
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やっぱり、難しい。なんというか、なかなか真っ直ぐにならない。
みんなどうやっているのかな?
例によって、指で軽く押しながら、イモネジを締めるが、綺麗に収まらない。
とは言っても試行錯誤の上でなんとか満足いく状態になった。
振動系のスタイラスチップも新品。悪いはずがない。
さてどうか
高調波成分がたっぷり入っていて、ツィンギターの重なりとっても綺麗だ。
AT-150E にも似ている。
解像度も高いし、切れもいい。
修理は大成功と言っていいだろう。
当たり前か?






DENON DL-103D を修理する [修理記録]

DENON DL-103D を修理した。
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先だけ折れていた。
根元から繋いでも良いが、極力オリジナルを生かすべく、先端 3mm で繋いだ。
ティパー上になっているのを計算せず、少し段差ができた。
綺麗に仕上がった。

サウンドは DL-103D の良さが十分発揮できていると思う。


YAMAHA MC-100 を修理する。(1台さらに追加) [修理記録]

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YAMAHA MC-100 の針折れが3個ある。
折れている場所は全部同じ、鞘だけが残っている。
鞘はアルミ製ぽい。

カンチレバー ベリリウムテーパードパイプカンチレバー採用。
パイプ、たぶん簡単に折れたと予測する。なんか欠陥ぽい。
外観は テクニカ OC-9/7 シリーズにそっくりだ。
しかめ、MC-一桁シリーズと違って、全身メタルボディでかっこいい。
MC-3/4/5/7/9/11 は おもちゃみたいだ。

鞘にピンを立てて修理することにした。
移植のカンチレバーは、AT-31E の断線を使うことにした。
楕円で、かなり細いカンチレバーだ。

音を聴いて驚いた。
非常にゆったりしているが、音楽の陰影まで描画できるすばらしいカートリッジだ。
しかし、折れる箇所が3台とも同じこれは、欠陥でしょう。
オーナーの扱いが乱暴なだけではないでしょう。



かなり時間が空いたが、第二弾を修理する。

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やはり、折れている箇所は同じ。
鞘の径も同じ、今回は AT-120Ea のカンチレバーを移植した。
アルミカンチレバー+楕円スタイラスである。
やはり美しい。他のヤマハカートリッジが玩具に思えてしまう。

ヘッドシェルには、不人気のAT-LS12 を宛がった。

2重構造になっているため、接続部の強度は問題ないはず。
おそらくオリジナルとは違うと思うが試聴してみる。
素晴らしいの一言だ。

解像度だけ追求したカートリッジは低域の量感が乏しくなることが多い。
テクニカがその傾向が強いし、90年以降設計された国産カートリッジはその傾向が強い。

このカートリッジは、解像度は高いが、量感もある。そんな珍しい国産カートリッジだ。

2つのアームで検証する。

① テクニカ AT-1010
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  素晴らしい、サウンドでまったく不満はない。

② サエク WE-308N
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  だいたい細身のサウンドになることが多いが、見事に欠点が補われている。


  意地悪テストで中森明菜のEPレコードをテスト



  問題なくトレース

この固体の修理も成功と言って良いだろう。
 

アントレ EC-35 を修理する。 [修理記録]

アントレ EC-35 を修理する。
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ある方が私がカートリッジの修理をしていることを知って、
「よかったら使ってください、是非復活させてください。」
との言葉をいただき、提供をいただいた。
非常にありがたい話である。

DL-103S のカンチレバーからスタイラスが零れ落ちそうな、カンチレバーを修理した時にことだ。
修理には新品のカンチレバーを使ったが、オリジナルは接着材でスタイラスを保持してカットした。
透明のスタイラスを見たら、そのまま破棄するのは忍びなくなった。

どうせなら、EC-35 には DL-103S のカンチレバーを移植したい。
スタイラスチップの固定は、実体顕微鏡を使って慎重におこなった。
顕微鏡でみる限りでは、長手方向が 溝に向かって 90度になっている。
しかし、接着材で固定するときに精度がでているかどうか疑問だ。

とにかく移植してみた。

われながら美しく仕上がった。
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さて、試聴


不安なので更に1枚


大丈夫どころか EC-35の良さが十分生かされていると思う。
ゆったりとしていて、更に切れがある。

十分高級機の領域だ。



テクニクス EPC-310MC を修理する。 [修理記録]

EPC-310MC を修理した。
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最初の修理成功は、このカートリッジだった。
このカートリッジは開口部の構造の関係で、修理が非常にやり易い。
折れる箇所もピンのようになっている、太めのカンチレバーも被せやすい。

このカートリッジは、SL-10 に付属で有名になった。
修理以外で、オリジナルも入手してある。
人気ぶりもよく分かる。
非常に高解像度のカートリッジだ。
EPC-205MK3 に通じるところがある。

細めのカンチレバーを選んで修理した。
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修理完了で確認したら.. L ch 断線だった。
綺麗に仕上がっただけに残念だ。


AT-15Ea を修理する [修理記録]

針折れの テクニカ AT-15Ea を入手した。
今回は、針つなぎではなく、振動系ごと入れ替えることにした。
入れ替える振動系を探す。
楕円のストレートカンチレバーのビクター DT-39E 向けの振動系を移植する。
移植元の交換針
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少しおごって 楕円仕様の交換針を選択した。
抜き取った振動系
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オリジナルとの比較PICT0029.JPG

AT-15Ea+振動系交換
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オリジナルと比較

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AT-15E は Ea のオリジナルである。幸い交換針は健在だったので、15E との差も聴いてみる。
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こうやって比べてみると僅差であることが分かる。
といいながら、やっぱり AT-15Ea の解像度が高い。
「個体差です。」
と言われれば納得する程度差と考えてよい。

オルトフォン MC-20 シリーズを修理する [修理記録]

オルトフォン MC-20 シリーズを修理した。

最初に MC-20MK2 を修理、スタイラスチップが若干傾いているが、問題になるほどではない。
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ダンパーも問題なさそう。
なぜか、右の音が小さい。
よく調べてみると、特定周波数が小さいようだ。
歪んでいるわけでもない。

これ、再度移植しなすか?
しかし、原因が不明だ。内部の振動系かもしれない。

気を取り直して、別固体を修理した。

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EPC-207C の針を移植した。楕円チップだ。
こちらは、大成功といってよいだろう。
非常にワイドレンジで、解像度も高い。


MC-20 super

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奥で折れているため、修理は非常に難易度が高い。
なんとか、修理完了し試聴。
AT-10G のスタイラスを移植した。
こちらもメタルのボディで非常に高級感がある。
試聴した限りでは、MK2 と甲乙つけがたい。
ヘッドシェルとの相性もあると思うが、Super の方が明るくより好みである。

MC-20 のメタルボディ化は大成功だったと思う。



続いて、別固体の MC-20 Super の修理
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針の折れている場所は同じだ。
カンチレバーは2重構造で、しかも、1層目には、樹脂が封入されている。
前回の修理のときは、接着材の名残かと思ったが、意図的に封入されているようだ。

今回のピンが立てられない。
ピンバイスで少し樹脂をほじくって、0.3mm 程度の掘れた。
ここにピンを入れて接着することにした。

オルトフォンのカートリッジは胴体着陸しそうで、精神衛生上よろしくない。
少し長めで作成した。
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十分な固着をまって、試聴

ワイドでダイナミックなサウンド、最初の修理と同じようなサウンドとなった。
音場はこちらの方が広いようだ。
ヘッドシェルの影響もあるかもしれない。


MC-20 MK2 とは縁があり、更に別固体を修理
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どんな状態で保管されていたかわからないが、非常に汚い。
ひたすら磨いていたら、下塗りの赤塗装が現れる。
更に磨くと、銅色のボディそのものがうっすら見えてきた。
どうも銅 or 真鍮をさび止め(たぶん赤の塗装がさび止めだろう)
その上からメッキをしたようだ。
非常にこった作りの筐体だ。
MC-20 のモールドがおもちゃのようだ。
あまり綺麗にならなかったが、当初からみたら雲泥の差だ。
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しかし、断線はないし、ダンパーも問題ない。
細めのカンチレバーで修理した。
修理としての仕上がりは満足だ。
さて、試聴 若干(おおむね 2dB 程度)左右のレベル差はあるが、聴感上は気にならない。
MC-20MK2 らしく広大な音場と切れよいワイドでダイナミックなサウンドを聞かせてくれた。
筐体(ボディ)が関与しているように思う。



テクニカ AT-E90を修理する [修理記録]

テクニカ AT-E90を修理する。
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針折れ品の E90を入手した。
針折れじゃなくて、振動系そのものがない。
どうするか?
テクニカの AT-10G 系の振動系を移植する。

テンションワイヤー押さえの太さが違う

E-90 は0.5 mm
AT-10G 系は 2mm くらいだ。

目論見と外れた、修理の方法これしかない。
ピンバイスで穴を大きくする。初めてピンバイスが役に立った。
鞘がうまく入らない。
なんとか調整して、移植完了。
ついでなので、オリジナルとも比較してみる。
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オリジナル

修理品

やっぱり、オリジナルの方がワイドレンジだ。
ただし、スピード感は、修理品の方が上だ。

E90 シリーズは新たな振動系で、攻勢したかったようだが、短命に終わった。

アントレ EC-1 を修理する。 [修理記録]

アントレ EC-1 を修理する。
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ずっと放置されていた、針折れのEC-1を修理することにした。
鞘から折れているようだ。
鞘は切れな円形を保っている。
鞘にピンを立てて、なるべく細めのカンチレバーで接続する。
テクニカのVM系の交換針から流用した。
ほぼ段差なして綺麗に繋がった。

非常にパワフルな低域と繊細な高域を併せ持つ、素晴らしいサウンドとなって蘇った。
アントレブランドの1号機だったと記憶しているがかなり気合が入っていたのではないかと予測する。

  

SAEC C-3 を修理する [修理記録]

SAEC C-3 を修理する
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まとめて買ったカートリッジに SAEC C-3 があった。
ラッキーと喜んでいたら、どうもカンチレバーが太い、オリジナルなのかな?
しかし、修理痕が分からなかった。
後で調べてみると、オリジナルはベリリュームでブラックだ。
やはり、修理品らしい、しかし昔自分で修理した C-3 がめぐりめぐって戻ってきたような気もする。
ちょっと不明。
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非常に状態の良い針折れのC-3も入手した。
根元から折れている。スペックどおり、ベリリュームパイプのようだ
しかし、根元の鞘はやっぱりアルミ製のような気がする。

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せっかくなので、テクニカのカンチレバーを移植した。
在庫がない。
現在 AT-33ML 断線、針ありを入札中だ。
これが、リーゾナブルな値段で落札する。決して熱くなってならない。
しかし、落札しても現物を見るまでは油断禁物だ、チップ落ちだったりしたこともある。
落札の行方は?

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